ソラマメブログ
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2008年10月04日

オフィーリア

オフィーリア


   柳の木が一本、小川の上に差しかかって、
   白い葉裏を流れの鏡に映しているところ。
   あの娘(こ)は柳の葉を使って、きんぽうげ、いらくさ、ひなぎく、
   それに口さがない羊飼いたちが淫らな名で呼び、
   純潔な乙女たちは死人の指と呼んでいる紫蘭をそえて、
   きれいな花環を上手につくり、その花の冠を枝垂れた枝に
   掛けようと、よじ登った途端、枝は情なく折れて、
   形見の花環もろとも、哀れにむせぶ小川に落ちました。 
   裳裾はひろがり、しばらくは人魚のように川面をただよいながら、
   古い賛美歌を口ずさんでいたといいます。
   身に迫る危険も知らぬげに、水に生まれ水に慣れ親しんだ生物(いきもの)のように。
   でも、それもつかの間、裳裾はたっぷりと水を吸い、
   あのかわいそうな娘(こ)を美しい歌声から引き離して、
   川底の泥の中に引きずり込んでしまったのです。
                                    シェイクスピア「ハムレット」野島秀勝訳 岩波文庫 より引用


お気づきになってくださった方はいらっしゃるでしょうか、
ジョン・エヴァレット・ミレイの絵画「オフィーリア」を基にしています。
恋人ハムレットに裏切られ罵られ挙句には父親を殺されて、発狂のうちに死を迎えるオフィーリア。
その死の瞬間の劇的なシーンを描いた作品です。
迫り来る死と、狂気と、花と、賛美歌。
まだハムレットなんて知らなかった頃、たぶん図工の時間の資料集か何かで見たのだと思いますが
子供心に衝撃が走ったのを覚えています。
水と女、花と死、作品から立ちこめる狂気と恍惚、そして深い深い悲しみ。
再度その絵と出会ったのは高校生の頃。
その時にそれがハムレットに登場するオフィーリアというヒロインであることを知りました。
そして最近、ミレイ展で実物を見ることが出来、さらに関心が強まっていたのです。

そんな折69のmodelhair01を拝見して、真っ先に脳裏に浮かんだのがオフィーリアでした。
これでオフィーリアをやってみたい。でもいざやるとなるとさまざまな問題が・・・。
そもそもこの髪既にポーズが仕込まれていまして、そのポーズならとても綺麗だけど応用は利かないんですよね。
その為プリムごとにいじって「元・69の髪」状態になってしまいました。69の方スミマセン・・・。
舞台もこれという場所が見つからなかったので、Musaに流れる川を一部改造。
ポーズもぴったりなのは見つかりそうもないのでこれも自作。
ドレスはLaughingAcademyのものですが、そのままではスカートがぶわーんとなるので
これもプリムごとにフレキシを調整。
あの表情を何とか再現したくて、だけどエモーションじゃ露骨なのでシェイプ調整で奮闘。
最後まで困ったのが花環で、迷った挙句、B@Rのブーケをほぐして花環にしました。Juneさんスミマセン・・・。
そんなこんなで思いついてから撮影までに一週間以上かかりました・・・orz
ここまで手をかけたものも初めてです。
それでも納得は出来てないのですが、追求したらきりがなさそうなので・・・w

オフィーリアセット、暫くMusaに置いておきますので
オフィーリアしたい方はご自由にお使いください。



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Posted by フィロメナ at 22:02│Comments(12)Photo works
この記事へのコメント
おー、すばらしーー!!
あの絵、大好きっす。
あの独特のセピアなんですよね。

オフィーリアのモデルさんは、水に浸かったせいで肺炎になったんでしたっけ。
Posted by guuguu at 2008年10月04日 22:26
フィロさん
こんばんわ^^plumです。

美しい~・・・・
その一言に尽きます。
叙情的であり、まるで絵画のよう。
あまりに素敵で、思わずコメント書いてしまいました^^。
Posted by plum at 2008年10月04日 22:53
おぉ~~!
ひと目でオフィーリアの絵だとわかるSSですね^^

好きな情景や人や物語を自分である程度再現できる楽しみがSLにはありますね~
色々手間ヒマかかることが多いけど、、


わたしもこの絵をはじめて見たとき
子供心に「この女の人はなにしてるんだろう」と
不安な印象とともに絵の美しさも強く感じた覚えがあります。
Posted by あび at 2008年10月04日 22:57
すばらしい・・・!
シェイクスピアの中でハムレットが一番好きなので、
ミレイの名前は忘れてたけど、「オフィーリア」の絵をモチーフにしたのはすぐわかりました。
最近SS撮るのに凝ってるので、
こういう世界観のある写真を撮れるの、
本当にすごいなぁって思う。
わたしも上手に写真撮れるようになりたい><
Posted by Parvati Schnyder at 2008年10月04日 23:19
初めまして。いつもきれいなSSと
情報、ありがとうございます。

ミレイの『オフィーリア』、
リアル部屋に飾ってるくらい好きな絵画の
ひとつなので、これがSLで
表現できた素晴らしさと美しいSSに
踊りだしそうです(あぶない)
Posted by Mer at 2008年10月05日 06:38
一人で何役やってるんですか? 大変ですね
Posted by 77 at 2008年10月05日 15:33
驚きの空間ですね。
ぜひとも伺います。
本当に美しい。
Posted by Evaelisa at 2008年10月05日 22:06
昔舞台でオフィーリアを演じたことを懐かしく思い出しました。

あのときはどちらかと言うとオフィーリアの最期のセリフの方ばかり印象に残っていたのですが、歳月のが経ち様々な形で改めて見返してみると異なる魅力に溢れた神秘的とも言える作品だと実感しました。

「お兄様はどこ?お父様はどちら?あの人は帰ってくるのかしら、帰ってくるのかしら…。いいえ…いいえ…もう帰らない!!泣いて…泣いて泣きながら祈るの。あの世でどうかお幸せに!皆様、お幸せに!」

今はもうこれしか覚えてないです(笑)
Posted by Cela Bonetto at 2008年10月06日 02:53
>ぐーさん
冬場に4ヶ月間毎日バスタブに浸からされたらしい・・・。
絵のテーマも狂気だけど、そう考えるとこの絵自体も狂気の中で描かれたってことだね。
だからこそ、あの表情が生まれたのかもしれないけど・・・。

>Plumさん
ありがとうー。
最近写実的なものにはとんと興味がなくなって、それこそ絵画のようなものを撮りたいな、と思っているから、凄いうれしいです。
今回は絵の構造に則って撮ったけど、セットを片付ける前に今度は縛りなしで撮ってみたいな。

>あびさん
子供の頃、最初棺に入っているイメージがあったな・・・。水で出来た棺というか。
ほんとはあの半開きの口とか、周りの植物(あれもちゃんと込められた意味があるんですよね)とかも再現したかったんだけど、やっぱり難しいー・・・。
再現といえば、今度あびファントムと共演しとうございます・・・w
Posted by フィロメナフィロメナ at 2008年10月06日 09:27
>ぱるさん
十分過ぎるほど綺麗じゃないですかー!
私は逆に鮮明な写真とかリアリスティックな写真が撮れないので羨ましいです。

>Merさん
オフィーリアのあるリアル部屋・・・!
うはぁ、素敵過ぎますw私の部屋は置かれたらむしろオフィーリア怒りそうなので、せめてSLの部屋に飾ろうかな。ウォーターハウスとかもいいですよねー。

>77さん
ごらんのとおり一役ですが・・・。
私のAlt君は初期アバからほとんど脱せていないので、ブログに登場するとしても先の話ですね。

>Evaelisa
いやいや、川の片隅にちょこっと物置いただけですから、空間と呼べるほどのものでは到底ありません^^;
が、もしお好きならぜひ試してやってくださいませ^^

>Celaさん
オフィーリア演られたのですねー!
子供の頃にはこのオフィーリアは既に死んでいて、流されてきたとか考えていましたが
この時点ではまだ生きているんですよね。
岩波だとかなり詳細にオフィーリアの台詞(だけじゃないけど)が出ていてまた面白いですよ。狂ったオフィーリアの言葉の一つ一つにも、ただ脈絡がない単純な言葉の羅列に見えて、ちゃんと意味するものがあるのかな、とか考えさせられます。
Posted by フィロメナフィロメナ at 2008年10月06日 23:21
ルーブル(多分)でこの絵にみとれました。
す・・・素敵過ぎる!
絵画好きのお友達を誘って、ぜひ行かせていただきます^^
Posted by シナモンシナモン at 2008年10月08日 13:18
シナモンさん>
先ほどはたいしたお構いも出来ずすみませんでした^^;
調子が悪いらしく切断多発で・・・。
RCの新クライアントにしてからちょっと不安定かもしれませんね。
この絵、実物と印刷だと随分印象が違いますよね。ネット上にあるオフィーリアを見比べても差を感じる・・・。
ミレイ展、時間があったらもう一度行ってみたいです。
「初めての説教」「二度目の説教」も可愛すぎます・・・!
Posted by フィロメナフィロメナ at 2008年10月11日 01:11
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